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  • 2014.08.13第3部 電気制御の不要な減圧機能付き緊急遮断弁について

    ここで、AINは流入側の管断面積、gは重量加速度である。

    同弁では、実際の流入量 QINと実際の流出量 QOUTの大小関係によって異なる動きを

    呈し、これによって、減圧と過流量緊急遮断との二つの機能を同時に実現する。

    以下では、これらの機能について説明する。同弁は通常時減圧機能を果たす。

    容器の流入・流出量の関係は、式(2)に示すように最大流入量 MAXQINが

    最大流出量MAXQOUTより大きく、容器内の水面が低水位l.w.l 以下にならず、

    h.w.l と l.w.l の間を変動する。つまり、容器内に常に自由水面がとなり、

    図3に示すように、給水区域の負荷水頭が HOから H2に低減される。

    この場合、回転式中空ゲートは常に水没状態で、浮力を受け上方に保持され、

    流出に影響を与えることがない。同弁は流出管破損時過流量緊急遮断機能を果たす。

    QOUTは、過流量AQOUTに達成すれば、容器内水面は、一時的に降下し、

    警戒水位a.w.l 以下になる。このとき、回転式中空ゲートは浮力をなくし、

    流出口を塞いで流出を止める。その後、流入は続くため、

    h.w.l になるまで上昇する。

    バタフライ式フロート弁が全閉状態となることで、

    配水池は水の流出をせず、貯水を確保することができる。

    また、配水池と給水区域の高低差が小さい場合、

    減圧を必要としないので、同弁を配水池の近傍に過流量緊急遮断弁だけとして

    設置することも可能である。この場合、式(2)、式(3)を満足させるため、

    H1の最小値が存在する。式(1)、式(2)、式(3)を連立して解くと、

    式(4)を得られる。

    スクリーンショット(2013-11-19 18.16.08)

     

    式(4)によれば、H1の最小値は、過流量AQOUTと

    時間最大配水量MAXQOUTの比α、配水池の高水位と低水位の

    差ΔH に影響し、α=2、ΔH=6mとすると、H1 ≧2mが必要である。

    すなわち、過流量AQOUTが時間最大配水量MAXQOUTの2倍、

    配水池の有効水深が6mの場合、同弁を配水池の低水位より、

    2m以上の低い位置に設置すれば、

    過流量緊急遮断弁としての正常作動が確保される。

    3.まとめ

    実験確認及び理論検討を通じて、新たに開発した減圧機能付き過流量緊急遮断弁について、

    以下のことが明らかになった。

    (1) 同弁は、常時、下流側の管路設備への負荷水頭を低減させると同時に、

    緊急時、配管破損による過流量が発生した場合、上流側の配水池の貯水を確保できる。

    (2) 同弁は上記の作動が浮力によるので、電気制御が不要である。

     

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